内容要約


『真の「新中国」はどちらか』(原題『誰是新中国』)という書は、世界の三百年来の歴史に対する全く新しい探究と深い解析のもと、二十世紀の中国の歴史に対して総合的な回顧と分析を行ったものである。そこに打ち立てられた理論体系、暴かれた歴史の真相は、理論と事実の両面において、新中国に論述を与えている。中華民国に対して、一再ならず国内外の様々な専制勢力の反撃と転覆に遭遇したその艱難の歴史に明快な論述を与えるだけでなく、中国共産党に対して、ソ連の長期命令と直接指揮のもと、中華民国に対して実行されたその造反と権力奪取の行為と、革命の名義のもとに中国大陸において全面的に専制制度を復活させたというその事実に明確な論証を与えている。特に、一連の重大な歴史問題に対して明らかにされたことは、中共の史学界と思想界に対する厳しい挑戦であるだけでなく、J・K・フェアバンクの中国現代史観に対する深い非難でもある。


『真の「新中国」はどちらか』という書は、中国現代史に対する極めて厳格な分析を行った上で、次のことを示している。辛亥後の中国の民主移行の苦難に満ちた反復過程は、欧州の前専制国家の民主移行の過程と同じであり、民主移行の必然的な過程の然らしめるところである。このことは、中華民族の自尊心と自信を高めること、中国の民主的統一の前途が果たしてどこにあるのかを明らかに示すこと、そしてそれらと中華民国の前途との関係に対して、疑いの余地なく重大な意義を持っている。


 本書は高所から見下ろし、大上段に構えているが、深遠にして簡明であり、綿密に道理を説いている。大いに考えさせる理論の魅力があると同時に、冷徹に勇ましく弁論する風格がある。作者は初稿完成後に、北米のいくつかの著名な大学と各地の華僑の要請を受けて体系的な講演を行ったが、何度もセンセーションが巻き起こり、すでにこの新しい「中国現代史論」が読者と学界の注目を集めることを予告していた。


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