はじめに


 英国の著名な詩人シェリーは、かつて「おお、西風よ、冬来たりなば春遠からじ」と希望に満ちた歌を唱えた。しかしながら、詩人には全く思いもよらないことに、春が到来したとしても、冬の吹雪と寒風は一度ならず、特に早春の時期に長期間にわたって猛威を振るうことがある。それは、まだ芽吹いたばかりの、あるいは息を吹き返したばかりの新しい生命の一切を公然と蹂躙し、抹殺していき、ようやく雪が解け、草が茂り、真の春が訪れた時に初めて止むのだ。中国の民の間では、この自然現象は「反春」と呼ばれてきた。


 自然界における季節の転換期のこの普遍的な現象は、社会制度の転換期の本質的な特徴を説明するのに適用できる。なぜなら、近現代世界もまた、専制から民主へと向かう大きな趨勢とプロセスの中には、革命と復辟、すなわち民主と専制の繰り返される対決という普遍的な歴史過程が必ずあるからだ。そして、苦痛に満ちた歴史過程というこの艱難を経験することによってのみ、民主と民主制度は最終的に専制と専制制度そのものに打ち勝つことができるのである。


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