辛灝年(しん・こうねん)、本名は高尓品。中国安徽省巣県の人、1947年11月2日に南京に生まれる。武漢大学中文学科卒業、中国大陸の著名な作家・学者。天安門事件(六・四)後、数度にわたり中共の天安門大虐殺に対する抗議デモを行うとともに、憤慨してすべて「社会的職務と栄誉ある地位」を辞した。その後、二度にわたり招聘を受けて北米で「中国現代史と中国新文学」を講義した。1994年春、カナダに赴き、トロント大学の客員研究者を務める。同年末、台湾の『聯合報系』の要請に応じ、台湾で研究に従事する。1995年夏、米国コロンビア大学の要請に応じて客員研究者となる。翌年2月に同大の歴史学の博士研究員となり、1997年に再び客員研究者に復帰する。
辛灝年先生が中国大陸において出版した10冊あまりの文学的歴史著作の数々は、広範な影響力を持っている。1994年に北米に来てからも、すでに20篇近くの中国現代史の専論を発表し、また、米国・カナダの十数か所の大学ならびに各地の華僑界の求めに応じて「中国現代史の考察」をテーマに50回にわたり講演しており、そのたびごとにセンセーションを巻き起こした。米国の著名なアンドリュー・ネイサン教授は、彼の思想と理論について、「すでに熱烈な反響と受容を獲得している」と指摘している。『真の「新中国」はどちらか』なるこの書こそは、彼が十数年の研究を費やしてようやく完成させた歴史学の新作である。書名は、米国滞在の多くの中国留学生たちの提案によるものである。